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LTOを使ってみた。(LTO3/LTO4ハード・ガチャ編) [パソコン]

LTOを使ってみた。(LTO3/LTO4ハード・ガチャ編)

LTO:「Linear Tape-Open」を略した名称で、コンピューター用のデータ保存磁気テープ技術のこと(wiki)より

数年まえからLTOに興味を持ち、SCSIインタフェースのLTO3/LTO4をヤフオクから入手。ubuntuでmtやTARを使ってLTOにバックアップをとっていたが、たまにオーバランとかパリテイエラーが発生し、SCSIデバイスをうまく使えなかった。自分のSCSIシステムだけの問題と思うがSCAのHDDは特に問題なく使えていた。 SCSIはあきらめSASのLTOを購入。3年間のガチャ結果をまとめた。

SCSIのLTOなきがら
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個人なのでヤフオクから中古のLTO/SASを調達するしか手段がない。今後LTOを使うならLTFSが使えるLTO5以降の製品が良いと思うが、まだカートリッジが少し高いのでテープジャムが発生した時のショックが大きい。経済的理由でLTO3/LTO4を中心に集める事にしSASのLTOを評価できる環境を準備した。

SASコントローラ:
LSILOGIC SAS9212 (NEC N8103-142)を 3k位でヤフオクから調達。
LSI SASのFWには、RAID用ファームとit用ファーム(単にHBAとして機能する)の
2種類があるが、OEMのNEC N8103-142はFWアップせずにそのまま使えた。
SAS9212はMini-SAS SFF8088:外部コネクタ、内部SATAコネクタx4を持つ

運用PCはSAS9212の内部コネクタを2ケ所を使って診断OKとなったLTO3とLTO4と接続した
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SASケーブルと受け側
PC筐体内に組み込んで使う場合は筐体内SASケーブルを準備するだけでよい。
自分の評価PCの場合、デバイスを入れ替えて評価するので、miniSASケーブルとデバイス接続SASケーブルを準備した。ライブラリ組み込みのLTOセットにはSFF8088コネクタの受け側がついていたので利用。
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SASコネクタ 1ポートタイプ。通常は1ポートで問題ない。
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調達したSASケーブル
・miniSAS SFF8088コネクタを有する外部ケーブル(DELLの中古)
・SFF-8482 SAS SATAケーブル。デバイスと接続
・SFF-8482 SASケーブル29ピン オスToメス延長ケーブル
 LTOについていたSFF-8088を利用する為に上記ケーブルを改造して使用
今見ると延長ケーブルは改造する必要は無かったが、電源ケーブルをカットしてしまった。

調達したケーブル類
miniSAS SFF8088ケーブル
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SAS延長ケーブル
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SAS/SATA変換 デバイスと筐体内接続に使用 SAS9212のSATA端子と接続
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LTOデバイスを入れ替えするので工作しやすい様にminiSASケーブルを受けてデバイスコネクタに変換するboxを作った。後で見直すと延長ケーブルの電源をカットしたが不要な工作であった。SCSI電源を受けるコネクタがあるので、ここに接続したらケーブルカットは不要。
デバイスコネクタで電源を供給するタイプ(IBMやHPのLTO5以降のデバイス)にも対応できる様にした。今後ケーブルコネクタが不良になれば延長ケーブルを交換する。
通常はAポートSASだけで良いが、Bポートしか使えないデバイスがあったので対策としてA/Bのポートを持つコネクタを使った。
SCSI電源コネクタとminiSAS SFF8088ケーブルが接続できるbox
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LTO接続例
HPのLTO3/LTO4と接続。電源は4PINコネクタでデバイスに直接供給する
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IBM LTO3/LTO4 SASデバイスコネクタ経由で電源を供給する
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ヤフオクで入手したLTOはサーバで使い込んだLTOが多く、使えるデバイスに当たるかは分からない。まさにLTOガチャであった。約3年で16台をヤフオクで入手。1台当たり2千円から6千円でトータルかなりの出費となった。資金に余裕のある場合は動作確認済みを調達するのが良い。 かなり磨耗したデバイスであっても診断はパスしたりする。
調達したデバイスで一番酷使したのはテープ走行30万km(月まで38万km)、通電時間8.3年。
10万km程度なら診断はパスするが、バックアップ中のリトライが多い様に思う。(処理カウント進まず、テープのスタートストップ音が繰り返し出ている)

HPもIBMもWindows版の診断ツールが公開されているのでデバイスの履歴を見ることができる。 
 HPのツールはヘッドやカートリッジの消耗度を表示してくれる。
どういう計算か不明だが、30万Km使ったLTOのHEADマージンは78%であった。
IBMのツールはセンスバイトをそのまま表示している。ヘッド磨耗度はどこにあるかは分からなかったが走行距離は分かる。

IBMの診断ツール
IBM:IBM Tape Diagnostic Tool Graphical Edition
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HPの診断ツール
HPE Library and Tape Tools
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LTO5のデバイス テープは30万km走ってヘッド磨耗78%
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残念LTO:これらに当るとがっかり。ダメージ大きい。
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3年でがっかりした残念LTO トップ3 
1.水没品 ヘッドに赤錆、基板/コネクタも錆びている
2.未使用カートリッジ:実は20回から52回ロードした中古カートリッジ。
  シュリンクパックが無かったのでおかしいと思った。
3.動作するLTO5: 稼動8.3年の通電、テープ走行30万km。ヘッド磨耗78%
  確かに動作はするが、エラーリトライが多い。最近は診断でエラー発生

出品者から”稼動していた装置から外した”とか通電OKなどのコメントがあるが
まさにLTOガチャ。30万km走ってエラーリトライで稼動しているデバイスやら
200kmも走っていないのに診断でwrite failするデバイスもある。LTO3/4でそこそこ使えるのは約50%の成績であった。動作OK品を選べばもう少し良品率が良くなったと思う。
なおFWが古いデバイスがあるが、HP,IBM共に契約していないと入手出来ない模様。
ただIBMのデバイスにはLTOのFWをテープに吐き出す機能があるので新しいFWのデバイスがあればテープからアップデートは可能。F991からG9N1にFWアップデートしたが見た目はあまり変わりは分からなかった。元のFWもsaveしてあるので戻すのは簡単。

3年のヤフオク調達総まとめ(使えたのは50%くらい)
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参考:
LTO ドライブを購入したので購入経緯や mt コマンドの使用方法をまとめてみた
https://blog.yukirii.dev/linux-lto-tape-drive-management-commands/

暫定SAS仕様書
https://www.t10.org/ftp/t10/document.08/08-212r2.pdf

DL088 - Dell TL-2000 Tape Library & LTO-3 Tape Drive Teardown
https://www.youtube.com/watch?v=x3lseFxGfXM&t=613s

Tape Drive Repair - Tape Cartridge Leader Pin Fix
https://www.youtube.com/watch?v=exMBbo8gsD0

Ultrium stucked tape removal - LTO5
https://www.youtube.com/watch?v=3U0kodKTyVM



タグ:LTO
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