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NVRAM DS1235代用品の作成 [修理]

NVRAM DS1235代用品の作成

Tektronix 2440の修理部品として、昔、購入して保管してあったLow Standby Current の1Mbit SRAM(M68AF127B)を使ってDS1235相当の32K NVRAMを作成した。ただ手間や部品を新規に購入する価格を考えると素直にDS1235ABを購入するのが楽と思う。(2011年ころ作成したNVRAMのアップデート)
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主要部品
・M68AF127B STMicro 1Mbit SRAM
・S80818CN SII オープンドレイン リセットIC
・BSS84   Pch FET
・28PSOPDIP変換基板
・丸ピンIC連結ソケット(両端オス)太い方が基板側
・シール基板 ユニバーサル
・シール基板 SOPIC 変換用
・CR2032用電池ソケット (縦・小型ジャンク基板から取り出し)
・RB751S/1SS405 ショットキーダイオード 30mA
・BAS40T/R   ショットキーダイオード200mA
・CR2032
・抵抗、コンデンサ

シール基板が高価。丸ピン足は曲げるとすぐに折れてしまうので注意。
以下の手法、定数には間違いがあるかもしれないので、参考。

ショットキーダイオードの特性は電池寿命に影響するので、逆方向電流Irが小さいものを選択。手持ち品を測定し、1uA以下、極力 0に近いものを選定。電池側のダイオードは順方向電流は1mA程度で良いが、Vcc側はSRAMの動作電流が流れるので、100mA以上のダイオードを選定。こちらもIrが大きいと電池寿命が短くなる。R4(1Ω)は電流測定用。

リセットICは手持ちのS80818CN(検出電圧1.8V)を使ったので、検出電圧を4.5Vに変更。
Vd-=((3.3k+2.2k)/2.2k)*1.8=4.5V
Vth=((3.3k+2.2k)/2.2k)*0.09=0.225V
vd+=4.5+0.225=4.725V

S80818の検出電圧には最大2%の誤差があり、抵抗誤差は5%なので、計算式は目安にしかならない。
調整出来るようにR7(68Ω)を入れて、今はショートしてある。
DS1235ABを目標にしたが、抵抗誤差を考えるとDS1235Y相当になってしまった。

Vccが低い時にS80818の出力(E2)に1V程度の不定値が出たので、Pch FETを追加した。
FETなしのEnable信号に不定値あり
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FET追加
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評価中はショートや過大電流が流れる可能性あるので、3.6Vのニッケル水素電池を使った。
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NVRAM裏側:電池box固定用錫めっき線が見える
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シール基板:以外に高価
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作成方法:
1.ユニバーサルシール基板にSMD部品を実装
2.28PSOPDIP変換基板の加工:Vcc(28P)のパターンカット、電池ソケット取り付け穴を開ける。
  丸ピン(太い方が基板側)取り付け、14~27ピンに30番線くらいのリード線を半田付け、長さは15mm程度、組立後に適切な長さにカットする。半田から飛び出した丸ピンもカット。

3.SRAMの14から28ピンをSOPシール基板に半田付けする。
4.シール基板付きSRAMをSOPDIP基板にと取り付ける。傾くが、できるだけ水平にする。
5.SMD部品が実装されたユニバーサルシール基板をSRAMの上に両面テープで貼り付ける。

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配線汚い

6.SRAMとシール基板を配線し、結線を確認。3Vくらいの評価電池を使ってR9 1kΩの電圧降下を測定。
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電池寿命:200mAH/4uA/8760H=5.7年

7.問題なければCR2032を実装して、通電中の電流/電池バックアップ時の電流、特性を観測して、NVRAM DMY1235Yの完成。
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最初に作った時、R9の電圧降下が1V(1mA)くらいあるNVRAMがあったが、実機実装すると4mV(4uA)になった。原因がわからないので、気持ちが悪い。電池電流が1mAになる事象は、再現しないのでので様子見。SRAMが斜め片側実装なので、外圧に弱く、少しの力で半田クラックが入ると思う。SRAMの実装については見直しがが必要だが、とりあえずTektoronix 2440の修理確認にはなった。


Tektronix 2440 修理完了 [修理]

Tektronix 2440 修理完了(一応)

電源が入る様になったが、診断でFAILが一杯。
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波形は出るが、稼働時間もおかしい。
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またキャリブレしても、設定が消えてしまうので、NVRAMが怪しい。自分の2440のNVRAMは、ソケット実装されていたと思うが、この2440のNVRAMは直付けになっている。28ピンICを壊さずに取り外すために、サンハヤトのシュッ太郎を購入した。併せてT22,T23のノズルを購入し口径1mmのT23と交換した。ノズルの太さは変わらない。ネットの評判では、シュッ太郎の耐久力はあまり無いそうだが、部品交換のプロでは無いので出番は少ないと思う。今までは、半田を盛り上げて、一列同時加熱でICを取り外していたが基板とICを壊したくないので購入した。
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TP-100も考えたが、価格で諦めた。半田吸い取り線、100ショップの”スッポン”も念のため準備して、中古基板を使ってIC取り外しの練習をした。心を落ち着け、静電気の対策して、CPU基板を取り出し、U350とU664のNVRAMを取り外した。シュッ太郎の吸引力はやや弱いが、吸い取り線を併用して綺麗に半田が取れた。
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裏面にはDS1210が見える
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U350とU664に28ピンの丸ピンソケットを実装。スリムタイプの28ピンソケットしか手持ちが無かったので、カットして使った。 
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DS1235やDS1230は数千円で入手出来る様だが(DS1230はDigikeyにあった)被疑候補が外れるかも知れないので、NVRAM代用品をM68AF127Bを使って作った。保護電圧を合わせたかったが、リセットICの都合でDS1235ABからYランクになってしまった。(電圧上昇時4.7VでEnable、電圧下降時、4.5VでDisable)後日紹介予定。
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DMY1235Yを3個作ったが、1個は保持電流が1mAくらい流れる。残りは4uA程度なので、5年程度は持つかも。(電池と直列にいれた1kΩの抵抗の電圧降下を測定 :200mAH/4uA/8760H=5.7年)
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DMY1235Yを2個実装してCPU基板を2440に再セット、外したケーブルの接続を確認して通電。DMY1235がシャーシにショートシないように、念のため厚紙をシャーシに両面テープで貼り付けておいた。
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”カンカンカンカン”火事の警報かと思う様な警告音がしたので急遽電源を落とした。ドキドキして心臓に悪い。元のDS1235ABに戻して(ソケットにして良かった)元の状態になった。各種電圧も異常なし。U350にDS1235ABを入れ、U664にDMY1235Yを実装して動作確認した。1個は警告音はしないが、表示が出ない。他の2個もメモリのエラーが出る。DMY1235YのM68AF127Bを再半田して、再実装。全く動作しなかったのが、診断の表示は出る様になった。U664にDS1235AB,U350にDMY1235Yを実装すると、診断もパス。キャリブレもパスした。
7cal0465.jpg8DIAGpassP1030466.jpg9signalP1030462.jpg
3個作ったNVRAMのうち、2個がだめとは、工作の自信が一気に無くなった。NVRAM入れ替えで動作するが、不具合が隠れただけと思うのでメモリ試験器作った方が良さそう。(DS1235ABを購入するする事も考えたが、自作NVRAMで2440が動いてしまうと気が抜けてしまった。)
この2440はタンタルコンデンサとNVRAM交換で修理完了のはずが、LM308に余計な事をしてしまったので、後で交換予定。一応完了なので、しばらく使って見る。リチウム電池CR2032から3.8uA流れている。
1990年ころ製造した機器が、25年経過しても保守できてまだ動作することが嬉しい。
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goot TP-100AS ポータブル自動ハンダ吸取器静電対策

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  • 出版社/メーカー: 太洋電機産業
  • メディア: おもちゃ&ホビー



Tektronix 2440修理継続2 [修理]

Tektronix 2440修理継続2

A11基板のショート部品はどれかな?ネットで検索して見るとショート位置検出ツールに、定電流を流して電圧降下を測定する方法がある様だ。平成5年に松下が特許出願(特願平5-237005)しているが、まだ未請求。出願時期より前から同手法は使われていると思うが自分で使う分には良いよね。一応AZ1117H-ADJを使って約0.1Aの定電流回路を作って、電圧ドロップを測定したが、問題のコンデンサあたりの電圧降下が一番低かった。電流値がいい加減なので、ショート抵抗の絶対値は不明。ただこの方法では、ショート位置から離れるとみな同じ電圧になるので、給電位置を変更して2回以上測定する必要がある。
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A11.TimeBase基板の回路図をみると、+15Vラインに接続されている1uF以上のコンデンサは、3個(C131/22uF,C182/2.7uF,C284/2.7uF)なので、順番にはずして抵抗値を見る。ショートコンデンサ発見。+15VラインのC182/2.7uFのタンタルコンデンサがショートしていた。テスター測定で0.6Ωしかない。
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代品が無かったので、コンデンサを除去して、こわごわ通電したが、発煙してびっくり、すぐに電源を落とした。基板を見ると-15VラインのC282/2.7uFが焦げていた。コンデンサは後日調達
c282.jpg
C181/C182/C282/284は、2.7uF20Vのタンタルが使われている。15Vラインに20Vタンタルコンデンサを使うのは、耐圧不足ではないか。4個のコンデンサ(C181/C182/C282/284)を除去して通電。診断FAILが一杯あるが、画面が出た。CCDがPASSしていたのは良かった。電圧をモニタすると、すべて規格内に収まっている。
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修理継続。

Tektronix 2440修理(継続中) [修理]

Tektronix 2440修理(継続中)

知人より動作しないTektronix 2440をもらった。手持ちのより随分きれい。通電しても画面には、3cmくらいの小さな樽の様な形が写っているのみ。TrgLEDは点灯していて、冷却ファンは回転している。
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ケースを開けて見たが、基板にはホコリがついていない。綺麗な状態で助かる。nVRAMはDS1235ABWであった。
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サイド基板にチェック端子が出ているので、電圧を測定。
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+5VDが4.5V、+10Vが2.2V、他の端子すべて目的の電圧が出ていない。サービスマニュアルを眺めながら、U180のLM368-10の出力を見ると、ここは10V出ている。49.9kの後に1uFが接続されているが、コンデンサのところでは3Vになっている。コンデンサを片方の端子をカットしたが、電圧は低いままでかわらず。次はLM308Aだが、代品を持っていないのでしばらく悩んだが、LM308Aの端子をニッパでカットして取り出した。
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これが失敗であった。めんどうがらずに、電源基板を取り出せば良かった。取り出した足の無いLM308Aの端子の痕跡に線を半田付けして、DIP基板に実装。LM308Aの試験回路を作って検査してみたが、LM308Aは無実であった。結局電源基板を取りだし、LM308Aを再実装した。後々きれいなLM308Aに交換した方がよさそう。電源をとりはずしたついでに、負荷側のショートチェックしたところ+15Vラインが1Ω以下であった。
+15Vどこかでショートしている。最初にショートチェックすべきだった。ケーブルを順に外していくとA11.TimeBase基板で+15Vラインがショートしてる。電解コンデンサの液漏れは見えない。ICショートだったらいやだな。
ショート位置検出になにかツールが無いか、探していると、一定電流を流して電圧測定する方法がある様だ。
調査継続。

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